ワインのラベル
世界最優秀ソムリエ・田崎真也
グラスに注がれたワインの中の成分は、85パーセント以上が水分で、12〜13%がアルコール。
残りのほとんどが有機酸で構成されています。そして、ここまでの比率はどのワインもおおよそ同じ、
つまり、1本500円のワインも10万円のワインもこの99%以上の成分は同じなのです。
ということは、逆に、残りの0.1%以下の成分のなかに違いが凝縮しているということになり、
0.1%以下の差が世界中にある数100万アイテムのワインの違いを表現しているのです。
このほんのわずかな成分量の違いであり、しかし大きな風味上の違いを感じるワインの個性を、さらに決定づけているのが、
ワインのラベルではないでしょうか。
ワインのラベルに与えられたイメージは、たとえ所有者が変わろうともラベルのデザインを変えない程
大切なものであり、つまり、すばらしいワインを生む畑を買うことは、
同時にそのラベルのデザインを所有する権利を与えられたということにもなるのです。
ただし、今年に限っては、どうやら少し違っているようです。
なぜなら、ラベルがボトルにはられるようになってから初めての新世紀。
新世紀のヴィンテージに記されるラベルがどのようになるのか。
世界中の愛好の大きな楽しみとなっています。
今回の企画も楽しみにしています。
ワイン銘柄 MARIMAR TORRES PINOT NOIR (Vintage Grand-Prix)
徹底的に構築された人工楽園
パラダイスに導く白い天馬の口には、ブドウの葉。
そして水晶の珠は、ブドウの実。
ワインのラベルに描かれるブドウの房が、作者の創造の世界によって、限りなく希望を与える印象の作品となっている。
この実から造られるワインもパラダイスにいくことのできるものなのかもしれない。
(文=田崎真也)